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鍵岡リグレ アンヌ

Installation view, artwork: Anne Kagioka Rigoulet, Photo: Naohiro Utagawa

この度Sakurado Fine Artsでは、現在鎌倉を拠点に活動する鍵岡リグレ アンヌの2年ぶり4回目となる個展を開催します。鍵岡が2014年から制作している水面の反射を題材にしたシリーズ「Reflection」より、これまでの色彩豊かな作風とは一線を画し、白と黒のモノトーンを基調に構成された新作12点を展示します。敢えて色彩を限定するという純化によって、日常風景が抽象的なイメージに変容する瞬間を捉えるという鍵岡のテーマに、より研ぎ澄まされた造形性が生まれます。鍵岡の新境地をどうぞこの機会にご高覧下さい。

日本で油画を学んだ後、フランスで壁画の技術を習得した鍵岡は、双方の技法を融合させた独自の描画スタイルを用いて、平面と立体、抽象と具象、見えるものと見えないものといった、絵画作品をとりまく複数の境界線を行き来しながら自身の表現を展開しています。世界各地で取材した水面の反射を描いたシリーズ「Reflection」では、絶え間ない揺らめきの一瞬を切り取った写真をもとに、絵の具、布、砂のマチエールを、支持体の上に塗っては削るという重層的な作業を繰り返しながら、絵画の表面に歪みと圧縮を孕んだ彫刻的空間を生み出します。そこでは、舞台となった場所の地理的要素や時間の流れ、物語性が失われ、自律したリズム、色、形など水のエネルギーの本質的な要素が可視化されます。これまでカラーの作品を主に制作してきた鍵岡が本展で発表する新作は、色彩を取り除くプロセスよって、線やフォルムといった絵画の根本的構成要素がより強調されます。そして、「浸る」、そこから派生して「没頭」という意味を持つ展覧会タイトルImmersionのごとく、緻密な立体感と繊細な色相のバリエーションによって結晶化された水面の様相に、見るものの視線と意識が没入するひとときをもたらします。

また、本展覧会開催中の11月14日から26日まで、表参道スパイラルガーデンで開催される吉野石膏美術財団在外研究助成採択者成果発表展「めざめるかたち」にて鍵岡の作品が展示されます。そちらもどうぞ併せてご鑑賞下さい。

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