多田圭佑
1986年愛知県名古屋市生まれ。現在も愛知県を拠点に活動するアーティスト・多田圭佑は、2010年に愛知県立芸術大学美術学部油画専攻を卒業後、2012年には同大学大学院にて修士号を取得しています。ゲームをはじめ、バーチャル世界が提供する知覚体験に関心を寄せる多田は、作品を通して現実と虚構の曖昧な境界線を表現しています。木材や鎖、タイルなどを用いたアッサンブラージュのような「trace / dimension」シリーズ、 精巧に再現したアンティーク調の門扉を斧で破壊する「Heaven’s Door」シリーズ——そのすべては絵の具で作られた造形物です。「残欠の絵画」シリーズでは、ヨーロッパの古典絵画になぞらえた作品の表面をエイジングすることで捏造の時間を創り上げています。“在ることと無いことのせめぎ合い”をテーマに立体的要素を含む多田の作品は、これまでにない新しい絵画を追求しているのです。
主な個展は「Phantom Emotion」MAKI Gallery(東京、2023年)、「Rhizomed Material」Gallery COMMON(東京、2023年)、「Traffic」MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY(東京、2022年)、「Beautiful Dream」MAHO KUBOTA GALLERY(東京、2020年)、「CHANGELING」rin art association(群馬、2020年)がある他、日本各地やアジア諸国で様々なグループ展に参加しています。