Installation view, artwork, left to right: Jonas Wood; Shio Kusaka, Photo: Naohiro Utagawa
アメリカの次世代ペインティングシーンを牽引する注目若手作家ジョナス・ウッドと、陶芸作家で彼のパートナーでもあるシオ・クサカの2人展をArt Fair Tokyo 2018にて開催します。ポートレートやスポーツシーンなどのキーテーマを軸に、2000年代から近年にかけて制作されたウッドのペインティング、ドローイング、版画など約10点と、クサカによるミニマルでポップな壺たちを展示します。平面と立体を行き来しながら、互いの制作活動に影響を与えているという二作家の共演をご高覧下さい。
【ジョナス・ウッド】
1977年生まれ ボストン出身、ロスアンゼルス在住。家族や友人、インテリア、植物、スポーツなど身近な題材を用いた静物画や風景画を描く。ウッドは制作にあたって、スケッチや写真、雑誌の切り抜きなど断片化されたイメージを平面上で組み合わせ、それらのコラージュを基にペインティングへと展開する。その過程でモチーフがもつ複数のフォルムや色面が重なり合い、作品に複雑な視点と隅々まで徹底された画面構成が生み出される。細部に至るパターンの反復やズレによって再構成されたイメージは、見慣れたはずの日常風景をいびつな平面空間へと変容させ、印象派、キュビズム、ポップアートといった西洋絵画史の流れを汲むウッドの大胆かつ巧緻でフレッシュな世界観を作り上げる。
【シオ・クサカ】
1972年生まれ 岩手県出身、ロスアンゼルス在住。壺をはじめとしたセラミック作品を作る。茶道を嗜んでいた祖母の影響で器に関心を抱くようになり、日本やギリシャや中国の伝統陶芸と、アグネス・マーティンにインスパイアされたという線やグリッドを用いた簡素な幾何学模様が融合した作風を特徴とする。手作業によって作品の表面に施された模様には、繊細な歪みや途切れといった有機的な不完全さがあり、色と形が織りなす奇妙さと遊び心によって、クサカは長い歴史をもつ壺という道具に新たな造形的可能性を見出す。2014年にホイットニービエンナーレへ出展した他、2017年オランダのフォーリンデン美術館をはじめ、近年ジョナス・ウッドとの二人展が世界各地で開催されている。