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カズ・オオシロ

Kaz Oshiro, <em>Pink Marshall Stack Wall (Three Marshall Double Stacks)</em>, 2002, acrylic and Bondo on stretched canvas, 182.9 x 228.6 x 36.2 cm, Photo: JJ Stratford
Kaz Oshiro, Pink Marshall Stack Wall (Three Marshall Double Stacks), 2002, acrylic and Bondo on stretched canvas, 182.9 x 228.6 x 36.2 cm, Photo: JJ Stratford

カズ・オオシロは1967年沖縄県生まれ。カリフォルニア州立大学で1998年と2002年にそれぞれ文学士と美術学修士を取得し、現在ロサンゼルスを拠点に活動しています。オオシロは、ポップアートやミニマリズム、抽象的表現主義などを参照しながら、それらの思想を独自に展開し、立体と平面、抽象と具象、リアリティとイリュージョンなど、さまざまな二項対立の上に立って作品の本質を探っています。
オオシロの代表作であるH形鋼やアンプ、ごみ箱などはあまりにも忠実に再現されており、一見作品と意識されません。しかし、それらがキャンバス上に描かれたものだと知ることで物の見方は逆転します。観る者は、木枠に張られたキャンバスが芸術作品の証明であるがごとく感じられるかもしれません。同時に、作品のリアリティを強調する古びた質感や色、シミ、傷などはハイパーリアリズムのテクニックに思えますが、どれもあくまで作家本人が創造したものであり、計算しつくされた抽象表現とも捉えることができます。
また、近年オオシロは「California Calligraphy」シリーズを通して、このコンセプトをさらに繊細かつ引き算的に追求しています。角が丸みを帯びたキャンバスを用いる本シリーズの作品は、作家がロサンゼルスで数多く目にしてきた、埃まみれの車体に残された落書きを抽象的な絵画に変換しようとする試みです。自身の芸術実践を「消極的抽象表現」と称すオオシロは、その言葉通り消極的でありながらも、緻密な造形技術と縦横無尽なジェスチャーの絶妙なバランスによって、観る者を魅了する作品を生み出し続けています。
主な個展は、「Nothing New Under the Sun」MAKI Gallery(東京、2023年)、「Republic」MAKI Gallery(東京、2020年)、「96375」Nonaka-Hill(ロサンゼルス、2020年)、「Steel Unforged」galerie frank elbaz(パリ、2017年)、「A STANDARD」Honor Fraser Gallery(ロサンゼルス、2017年)など。2014年にはロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA、ロサンゼルス)にて個展「Chasing Ghosts」が開催されました。また、The FLAG Art Foundation(ニューヨーク、2015年)、Walker Art Center(ミネアポリス、2012年)そして Hammer Museum(ロサンゼルス、2005年)など美術館でのグループ展に参加。日本でも、2022年には国際芸術祭「あいち2022」に出展、2014年にはBunkamuraザ・ミュージアム(東京)、兵庫県立美術館(兵庫)そして名古屋市美術館(愛知)で巡回したグループ展に参加しています。オオシロの作品は、国立現代美術基金(パリ)、ロサンゼルス・カウンティ美術館(LACMA、ロサンゼルス)、Rubell Museum(マイアミ)、Zabludowicz Collection(ロンドン)など、数多くの著名な公共および民間のコレクションに収蔵されています。

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