baanai
baanaiは、1977年神奈川県藤沢市鵠沼生まれ。現在もこの地で活動しています。baanaiのアーティストとしての経歴は、2015年COMME des GARÇONSの川久保玲氏にポートフォリオを送り、初めて作品が採用されたところから始まっています。一躍注目されるようになったbaanaiは、その後多くのブランドに作品が起用され、次々に個展を成功させます。一見華やかにみえる活躍の裏側で、baanaiはひたむきに、愚直に、自身のアートを追求してきました。執拗なまでに反復された文字によって画面全体を埋め尽くすという、作家独自のスタイルによって生み出される作品は、何層にも塗り重ねられ、観る者を奥に奥にと引き込みます。そこには、かつて抑圧された作家のアートへの欲動、そして、作家が生まれた地であり、現在も活動の拠点とする神奈川県藤沢市鵠沼のサーフィン文化、数々のブランドとのコラボレーションの経験などが色濃く反映されているのです。色と色が重なり、言葉と言葉が重なった画面からは、まるで重厚なオーケストラの演奏が聴こえてくるようにも感じられます。一方でグラフィティの要素が強い表現とあいまって、baanaiの描く言葉は作家の慟哭にも聞こえ、平面を構成する以上の空間性を創り出し、作家の ‘生’ を伝えます。
主な個展は、「SWEET HORIZON ~甘美なる水平線~」MAKI Gallery(東京、2024年)、「UNLOGICAL」MAKI Gallery(東京、2022年)、「DOUBLE BED GALLERY」六本木蔦屋書店 2F BOOK GALLERY(東京、2020年)、「Capillaries」伊勢丹新宿店メンズ館2階 メンズクリエーターズ内 ART UP(東京、2020年)、「inaiinaibaanai」伊勢丹新宿店メンズ館2階 メンズクリエーターズ内 ART UP(東京、2019年)など。ほかにも2015年以降、パリコレをはじめ、COMME des GARÇONSのDM、洋服、ショッピングバッグなどにアートワークが起用され、以来、同ブランド以外に、NEW ERA、RVCA、Audio-Technica、CONVERSE SKATEBOARDING、MINE DENIMに作品を提供するなど、目覚ましい活躍を続けています。
BEAUTIFUL SUMMER NOISE (2024/09/07-2024/09/29)