アレック・イーガン
アレック・イーガンは1984年ロサンゼルス生まれ。2007年にオハイオ州ケニオン大学を卒業後、2013年にロサンゼルスのオーティス・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザインにて修士号を取得し、現在もロサンゼルスを拠点に活動しています。イーガンは、自身の記憶や空想から生まれた架空の屋内のワンシーンや風景を、インパストを用いて表現します。華やかな花模様で彩られた彼の室内画には、家具や本、靴などが象徴的なモチーフとして繰り返し登場し、ありふれた日常の一場面に奥深さを与えています。一方、彼の広大で爽快感あふれる風景画は、アメリカの感傷的なナショナル・アイデンティティに欠かせない‘自然’に目を向けています。人間の姿が一切見当たらない彼の作品からは、メランコリックな雰囲気が漂い、時が止まったような不気味ささえも感じ取れます。イーガンの郷愁を誘う空想画は、ゴッホから北斎まで幅広く及ぶ美術史的引用をふんだんに盛り込みながら、絵画の伝統に忠実かつ挑戦的に取り組んでいます。
近年の主な個展は「Drawing Room」Brattleboro Museum & Art Center(バーモント州ブラトルボロ、2023年)、「Blue Setting」Charles Moffett(ニューヨーク、2023年)、「Look Out」Anat Ebgi(ロサンゼルス、2022年)、「Miroʼs Corner」MAKI Gallery(東京、2021年)、「Alec Egan: The Living Room」Dubuque Museum of Art(アイオワ州ダビューク、2019年)、「Welcome Home」California Heritage Museum(ロサンゼルス、2017年)などがあるほか、アメリカを中心にグループ展にも精力的に参加しています。