山本隆博
1984年鳥取県生まれの山本隆博は、高校卒業後にスペインにて、リアリズム絵画の勉強を重ねた。その後シンガポール、ニューヨークと活動拠点を移し、現在は日本にて制作している。ポストカードなどのファウンドイメージや古いアーカイブ写真を題材に、ハイパーリアリズムの手法を用いて、オリジナルと複製の関係に問題提起する作品を制作している。超絶技巧ともいえる写実的描画テクニックによって、描く対象に見られる僅かな破れや擦れといった経年の形跡を精密に捉え、時間の経過とそれに伴う劣化現象をもってして、複製品が物質としての唯一性を獲得する可能性を提示する。主な個展に、「Aging Painting」Gallery Kogure (ニューヨーク、2017年)、「The genuine truth behind truths」Gallery Kogure (ニューヨーク、2016年)、「Where the artificial stops and the real starts」Gallery Kogure (東京、2013年)がある他、アジアや欧米でのグループ展にも多数参加している。