MAKI
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Exhibitions

田村琢郎

Whence? How? Whereto? #4, 2025, acrylic, wood, felt, and aluminum frame, 62.0 x 143.0 x 3.8 cm

このたびMAKI Galleryは、田村琢郎の弊社で2回目の個展「Uncertain Romance」を天王洲ギャラリーにて開催いたします。本展において田村は、「人生ゲーム」のモチーフを大胆に変容させることで、人生の複雑さを象徴する複層的なメタファーへと昇華させた新作を発表します。

ゲーム内で個々のプレイヤーを表すプラスチック製のペグを巨大化させた「Nomadic Pegs」シリーズ。約200点のデフォルメ化された旗の彫刻で構成された「Flagment」シリーズ。延々と回り続けるルーレットのまわりにマス目が始点も終点もなく絡み合う「Whence? How? Whereto?」シリーズ。プレイヤーに明確な目標や課題が提示される本来のゲームとは反面に、田村の作品は情報過多の現代社会における無限の選択肢と、未知の未来を体現しています。作家は、人生の不確定性を積極的に受け入れ、自らの関心や感情、目的さえも常に変化し続けるものと捉えており、その曖昧なカオスの中にこそ美を見いだしているのです。

田村は、身近なものを本来の役割から切り離し、ときにはまったく無用なものに変えてしまうことで、観る者の固定観念を覆し続けています。現代社会の構造や規範、通念を鋭く批判しつつ、この予測不可能な世界に潜む驚きと魅力に目を向けるよう、観る者を真摯に促す作品の数々を、ぜひ会場にてご高覧ください。

塔尾栞莉

Installation view, artwork: Shiori Tono

MAKI Galleryではこの度、大分を拠点に活動する塔尾栞莉による個展「なんでもない」を天王洲ギャラリースペースにて開催いたします。

本展では、塔尾が日常の中で出会った些細な風景や出来事を写真に収め、それをモチーフに制作した作品を展示いたします。アルバイト先でおすそ分けしてもらったクリスマスケーキ、誰の気にも留められず、時間の経過とともに静かに佇む植木鉢、太陽の光に照らされて輝くユーカリの葉。それらは決してドラマティックな題材ではないかもしれませんが、だからこそ宿るかけがえのない愛おしさがあります。

目の前の風景や出来事を一つひとつ丁寧に描きながら、過ぎ去る時間とともに変容していくイメージ。その積み重ねが、私たちが生きる「今」そのものを浮かび上がらせます。本展の作品は、そうしたなんでもない瞬間にそっと光を当て、忘却の彼方へ沈みかけた記憶をやさしくすくい上げます。ふと立ち止まり、過ぎ去っていく日々のかけらに思いを馳せる。そんな時間を会場にてどうぞご体験ください。

カズ・オオシロ、田村琢郎

  • 伊藤彩、カズ・オオシロ、田村琢郎、風能奈々、油野愛子
  • 2025/03/15-2025/04/20
  • まえばしガレリア ギャラリー2, 前橋

Installation view, artwork: Takuro Tamura

このたび小山登美夫ギャラリーとMAKI Galleryは、まえばしガレリア ギャラリー2にて、伊藤彩、カズ・オオシロ、田村琢郎、風能奈々、油野愛子によるグループ展を開催いたします。

伊藤の作品はオレンジ、赤、緑、紫、黄色など人工的なネオンのような暗く鮮やかな色彩の渦、傑出した構成力の時空がねじれた背景、飄々とした人かなにかが巨大化、矮小化されたり、浮いたりと、けだるい無重力の空間を覗き込んでいるような不思議な感覚を覚えさせます。
オオシロは、ポップアートやミニマリズム、抽象的表現主義などを参照しながら、それらの思想を独自に展開し、立体と平面、抽象と具象、リアリティとイリュージョンなど、さまざまな二項対立の上に立って作品の本質を探ります。
田村は日常風景から制作のインスピレーションを得ることが多く、特に交通に関連するモチーフをよく作品に取り入れ、持ち味の鋭い観察眼と高い技術力、そして遊び心溢れる感性を活用して、身近なものを元の文脈や役割から切り離して、新たな存在意義を与えます。
風能は自らの生活での体験や感覚、感情を、新たな物語世界に昇華させるように緻密に大胆に作品に展開。繊細な筆致で高い密度のマチエールを絡みあわせた画面は、磁器や彫金を思わせるかのような光沢と、刺繍や織物のような重層感があり、それをアクリル絵具のみで生み出しています。
油野は幼年期と青年期の間に横たわるギャップや感情をベースに、金属や樹脂、陶芸、アクリル絵具など多様な技術と素材で作品制作を行います。自分とはなにかを問うその表現に、鑑賞者は自身の情景を映し出すことができるでしょう。

突出したアイデア、発想力、着眼点を持ち、独自にオルタナティブな道を切り開いているアーティスト5人による展示をぜひご高覧ください。

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